※ Last Updated:06/24/2022
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–誰でも出来る簡単な仕事の実情–
障害者手帳3級所持、後天性の聴覚障害者。
大手日系メーカー、外資金融など転職回数は計3回。実生活や仕事では補聴器を使用し、読唇術を使用して声も聞きながら会話をしている。
Butterfly Worldのノウリです。
今の働き方は様々で、自分のライフスタイルからアルバイトとして働く人、まだ学生のためにアルバイトをする人といろいろいると思います。
ノウリは学生時代、大学の講義をとにかく受けまくっていて、研究や制作に明け暮れていましたが、社会経験のためにも少ないながら飲食店と百貨店でアルバイトしました。
直感的なアルバイトの感想としては、本当に社会経験になったのでやって良かったです。
ただ、難聴者の場合アルバイトをすることは健常者に比べて難しかったりします。自分もいろいろなアルバイトの面接を受けてそう感じました。
社員として働くより難易度はそんなに高くないのがアルバイトですが、難聴者の場合は隠れ難易度があるのでその辺についても伝えていこうと思います。
Agenda
・聴覚障害者ができるアルバイトって何があるの?
・採用されるための3つのポイント
・アルバイトの書類選考と面接を通過するために大切なこと
・聴覚障害者と相性の良いアルバイトまとめ
難聴者のアルバイト事情については、ノウリの時代よりは改善されてはいると思いますが、やはりまだまだネットで“聴覚障害者 アルバイト”と検索しても具体的なものは出てきません。
まだまだ日本は厳しい面もありますが、難聴者でもアルバイトをしたい人はいるので自身の経験を基に挑戦して欲しいです。
聴覚障害者ができるアルバイトって何があるの?
アルバイト自体はかなりの数があります。
アルバイトの種類もさることながら、長期雇用から期間限定の短期雇用まで幅広くあります。
社員として働く場合は“障害者採用”がありますが、基本的にアルバイトはありません。
なので、給与については時給は基本的に求人票に書かれている通り支払われます。
アルバイトの種類
求人票を見ると、特殊なアルバイトもありますが、ここではよく見る普通のアルバイトについて話を進めていきます。
アルバイトはざっくりと分けると5種類あります。
アルバイト全職種の紹介
・飲食店:ファミレス、カフェ、ファーストフードetc.
・販売店:スーパーマーケット、コンビニ、アパレルetc.
・教育系:塾講師、家庭教師etc.
・サービス系:コールセンター、ホテルスタッフetc.
・エンタメ/配送系:イベントスタッフ、引っ越しスタッフetc.
言い方が良くないかもしれませんが、アルバイトは基本的に“初心者でも未経験者でも誰でもできる仕事”で求人が出されています。
難聴者とアルバイトの相性は実は一番良くない
先程、冒頭で、
社員として働く場合は“障害者採用”がありますが、基本的にアルバイトはありません。
なので、時給は基本的に求人票に書かれている通り支払われます。
と述べました。これを表面だけ読み取ると、
健常者も障害者もみんな平等なんだね!
と、思う人が少なくないかと思います。
平等…良い響きなのですが、それが難聴者にとって採用されるハードルが高いのです。
先程挙げたアルバイト全職種はすべて接客業です。
世間一般では、接客業=初心者でも未経験者でも誰でもできる仕事という認識です。つまり、アルバイトだけど即戦力を求めているわけです。
良い大学に通っているとか、良い大学を卒業したとか、素晴らしい経歴を持っているとかほとんど関係ありません。
接客業が即戦力としてできそうかどうか、まずはこれで決まります。
それからシフト(どのくらい働けるか)とか人柄とか自己PRとか見る感じです。
なので、「ちょっと難聴なんですが…」と言った時点で採用する側は「あー…」となります。もちろん、その場では言いませんが…。
採用されるために伝えるべきこと
難聴者のアルバイト事情が厳しい理由についてここまで述べましたが、アルバイトを諦めさせるためにこの記事を書いているのではないので、次の記事を是非読んでください。
ここで一つ言える一番大事なことは、採用する側も差別をしたいから雇うのをやめている訳ではありません。
難聴者のことがよく分からず、採用した後のイメージが掴めない(業務が上手く回るのか?同僚と上手くやれるのか?どうやって仕事を進めるのか?etc.)ため、採用することに踏みとどまってしまっています。
そのため、こちらからイメージできるように情報を与える必要があります。
採用されるための3つのポイント
難聴者にとってアルバイト事情が厳しい中、ノウリは飲食店と百貨店のアルバイトを経験しました。
その採用された流れを皆さんにも共有したいと思います。
アルバイト採用に受かるためのポイント
・人脈
・接客業ではないアルバイトの選択
・採用側に自分のできることの情報提供
この3つのポイントは難聴者がアルバイトするにあたって重要なので、参考にしてください。
アルバイト採用に受かるためのポイント:人脈
まず、飲食店の採用をいただいた経緯ですが、これは知人の紹介です。
知人がとある飲食店で働いていて、ちょうどアルバイトを募集していたので、そのツテで紹介して貰い、面接をし、採用となりました。
つまり、人脈ですね。
知人が自分のことを知っているからこそ、その人柄やできることなどを伝えてくれていたので、○○さんの知人なら大丈夫かなって感じで採用をいただきました。
飲食店だとホールかキッチンになりますが、ノウリはキッチンで働いていました。
飲食店は接客業ですが、キッチンで働けばお客さんの接客はしなくても大丈夫ですし、同僚たちは事情を知ってくれているので会話は問題ないですね。
アルバイト採用に受かるためのポイント:接客業ではないアルバイトの選択
次に、百貨店の採用をいただいた経緯ですが、こちらは自分で応募しました。
お歳暮のデータ入力という短期アルバイトです。
もうお分かりかと思いますが、データ入力なので接客はありません。
またこの時、運よく雇用主(社長)の方と話す機会があったので、せっかくなので採用された理由を聞いてみました。
その理由は「難聴でもこの仕事にはそれは関係ないから問題ないよ」とのことでした。
つまり、この場合は自分で接客の無いアルバイトを探したということになります。
接客じゃないと時給が低いイメージがありますが、このアルバイトはそうでもなかったです。
アルバイト採用に受かるためのポイント:採用側に自分のできることの情報提供
最後ですが、こちらは経験ではないですが、元人事として接客業でも人脈無しで採用を貰う方法をお伝えしたいと思いますが、必ずしも確約するものでないことはご了承ください。
面接で難聴であることを伝えた上で、そのアルバイト勤務先で何ができるかを採用側に提供することです。
先程も書きましたが、採用側は難聴者のことがよく分からず、採用した後のイメージが掴めない(業務が上手く回るのか?同僚と上手くやれるのか?どうやって仕事を進めるのか?etc.)ため、採用することに踏みとどまってしまっています。
そのため、こちらからイメージできるように情報を与える必要があります。
採用側も難聴の人をどう扱っていいか、どう活かせばいいか分からないのです。
なので、あなたの勤務先でこういうことができ、こういう貢献ができるよということを伝えることで、採用される確率が格段にUPする可能性があります。
学生の頃のノウリはまだ社会のことも分からなかったため、人脈からと接客業以外のアルバイトを探すことでしか手段がありませんでしたが、社会人となって情報提供することでも可能性があることが分かったので、この記事を見てくれている人には幅広いアルバイトができることを願って書いています。
同じ難聴者の可能性を広げる一翼を担えれば嬉しいです。
アルバイトのサイトいろいろ
◆ギガバイト
接客業もそれ以外も幅広いアルバイトがあります。特に飲食店については、キッチンとホールで求人が分かれているので申し込みやすいです。その他にもスマホで3分モニターバイトも取り扱っています。
◆単発バイトアプリ「シェアフル」
履歴書不要・面接無しのアプリで簡単に応募でき、1日単位のスキマ時間で働くことができます。サクッとアルバイトをしてみたい場合はこちらがおすすめです。
◆ペコリッチ
東京都内のみになりますが、ご飯がタダで付いてくる飲食店のアルバイトを取り扱っています。まかないバイトですね。せっかく飲食店で働くなら、まかないが欲しい!という人はトライです。
◆寮費・水道光熱費無料・食事付のリゾートバイト!
こちらはちょっと特殊ですが、北海道から沖縄までできるリゾートバイトです。接客業の有無はアルバイト内容にもよりますが、ちょっと違うことをしてみたい、アルバイトに集中してみたいならチャレンジです!
アルバイトの書類選考と面接を通過するために大切なこと
ここからは難聴者も健常者も同じですが、アルバイトに採用されるのにそんなに肩を張る必要はないですが、最低限のことはしておきましょう。
書類選考通過のためにすべきこと
・丁寧な字でちゃんと書く(直筆の場合)
・紙をいたずらに汚さない
・普通の写真を貼る
当たり前すぎてアドバイスでもないかもしれませんが、意外とできてない人がいます。
元人事の頃、アルバイトの履歴書を見たことがありますが、社員を申し込んでくる履歴書とは差がありすぎて愕然としました…。
字ですが、上手い下手はどっちでもいいです。上手くても走り書きで汚かったりすればNGです。なんなら、下手でも一生懸命書いたのが分かれば全然OKです。
走り書きの履歴書を見たことがありますが、やる気が感じられずに見送りとしていました。
紙は…汚かったら受け取った側の印象は良くないですよね…。シワシワの履歴書を見たことがありましたが…何故…。
写真は美しく写ってるかどうかはどうでもいいです。顔採用とか基本無いです。なので、髪が目にかかってキメてる写真とかやめましょう。
なお、自己PRとか志望動機は普通でいいです。奇をてらって変わったこととか書かなくていいです。空欄が目立たなければOK。
面接通過のために気を付けること
・ハキハキ受け答えする
・シフトはなるべく多い方が可
・身だしなみは普通に整える
面接で一番NGなのが嘘をつくことです。面接中は聞かれたことをハキハキ答えましょう。
シフトですが、土日だけがいいですとかだと受かりにくいです。
アルバイトに応募するということは、働く意欲があるということなので、なるべくシフトは多く入れられる方が望ましいです。
ですが、何らかの理由があれば、それを伝えましょう。
身だしなみはカジュアルで問題無いです。スーツいらないです。
ただ、飲食店なら、派手なネイルとかボサボサの頭とかはNGです。
難聴であっても書類選考や面接は普通に挑みつつ、あとは先程お伝えした3つのポイントを押さえていけばアルバイトができるのでチャレンジしてみてください。
聴覚障害者と相性の良いアルバイトまとめ
難聴者がアルバイトをするには確かにまだまだ理解が得られていない部分もあります。
しかしそれは、採用側が難聴に対して十分な情報を持っていないことによる、未知の世界に対しての恐れでもあります。
それが、社会人になって人事も経験して明らかになった“何故、難聴者はアルバイトに採用されづらいのか”という回答でした。
学生の頃にいくつかアルバイトに申し込んでは落ちて、理由がはっきりせずに悶々としていたので、この記事でその助けになれば幸いです。